旧モーガン邸を守る会の これまで

守る会のはじまり
1999年春旧モーガン邸のフェンスに、建物を取り壊し36件の住宅ができるという看板が立ちました。
そこで、地元の住民有志でモーガン邸の緑を守ろうと保存運動を開始。
その時期同じく、昭和初期の貴重な建物として旧モーガン邸を調査していた建築士有志の両者が一緒になり
1999年11月「旧モーガン邸を守る会」を発足しました。
神奈川県建築士会湘南支部と連名で藤沢市に保存陳情を続ける傍ら
署名活動・草刈り・藤沢モーガン邸だよりの発行・モーガン邸公開
庭園でのコンサートとバザー・モーガン邸の草木を知る学習会・講演会
モーガン作品と保存活用事例見学ツアー・横浜山手外国人墓地での墓参と記念コンサート等、旧モーガン邸を一人でも多くの人に知ってもらうために活動を続けました。
発足から初めての草刈りは1999年12月25日
草が大人の肩ほども生い茂り、どこから手をつければいいのか分からない程でしたが、地域の方、建築関係の方々との月一回の清掃により、庭園は見違えるようにきれいになっていきました。
参加してくださったお一人お一人の旧モーガン邸を守りたい気持ち、かけがえの無い自然を残したい願いが合わさり、モーガン邸は蘇っていきました。
2005年8月
藤沢市と(公財)日本ナショナルトラストによって取得。
復原改修後一般公開もされることも決まり、これからモーガン邸が皆の為に活用されていく、
今までのたくさんの方々のご協力と思いが形になってきたと
展望が開けてきました。


二度の火災
ところが2007年5月、不審火により本棟が焼損
玄関部分と外壁周りサンルームの一部をはじめ、床はほぼ残り、地下、中門、別棟、旧ガレージ、庭園も無事でした。
守る会は火災直後から修復再生に向けて動くことを決定し
署名を集め、藤沢市長と神奈川県知事宛に修復再生の要望を提出。火災当日よりボランティアでご協力いただいた有志の方々や業者の方、また数えきれないほどの全国からのお見舞い、励ましの声が私たちを勇気づけてくれました。
2008年1月、二度目の火災
またもや不審火により、残っていた別棟、建具を保存してあった増築部分が全焼。
これらの非情な行為により、本来目指すべき理想や真実を見失いそうになりながらも、8年間続けてきたボランティアによる保全活動は、後世に文化と緑を残し伝えるための私たちの役割と考え、そこから立ち上がる決意をしました。
復元再生へ、再スタート
2008年9月修復再生と活用を目標に
「特定非営利活動法人(NPO)旧モーガン邸を守る会」
として再スタートを切りました。
■市民に開かれた施設として活用すること。
一部の人の利用に偏らないものにする。
■湘南の邸園文化の歴史を生かした場所として再生すること。緑豊かなただの広場にならないようにする。
■建物は旧モーガン邸の創建時の姿に外観復元すること。室内も現存する玄関を中心に主要な部屋は復元し
建築家モーガンの設計意図を今に伝える。
以上のことを目標に
「保存活用」から「復元再生」へと舵を切り
その後も、毎月のボランティア清掃と庭園公開
募金コンサートを主軸に
再建への道を描いてくださる専門家や団体の協力を得て、少しづつ前に進んでいくことができました。


2021年3月
旧モーガン邸は(公財)日本ナショナルトラストから
(公社)横浜歴史資産調査会に譲渡。
藤沢市、(公社)横浜歴史資産調査会、NPO旧モーガン邸を守る会の三者で協力して再建に向けて動き出しました。
現在も、毎月の庭園清掃と公開で多くの皆さんにこの場所の歴史と文化を楽しんでいただき、ボランティア活動で維持管理しながら、再生活用をめざして募金活動を続けています。
二度の火災からも心折れることなく活動を続けてこれたのは
必ず支えてくれる方々がそばにいてくださったからです。
ここまで共に旧モーガン邸を見守り、ご尽力下さった皆様と共に新しい一歩を踏み出そうとスタッフ一同再建のため心を燃やしています。
沢山の方々と共にこれからの道を歩いて行けます様に。